枝垂れ桜掘り取り

お客様によっては、お庭と違う場所にそのうち庭にいれようと思って育てながら保有している木を数本保持してみえる方がみえます。苗木の時に買ってきたりもらってきたりして、その時はとりあえず空き地に植えておくかといったように何気なく植えられて、その後正式に庭に入れるということをしないまま大きくなってしまったということは良くあることです。特に私たち庭師のように木の維持管理を生業にしていない人がこまめに保持木の手入れをして形を綺麗に保っておくということは時間的にも意欲的にも困難なことだと思います。そして、大きくなりすぎてしまって、庭に入れる場所が無くなってしまったり違う木を入れたくなったりして、その木を持て余してしまう結果となってしまうことも時としてあります。

今回もかなり立派に成長した木なのですが、庭に入れる前にご主人がお亡くなりになり移動させる人がいなくなってしまった為にもう切り倒すかと言っていたものを当方がもらい受けることにしました。結構に枝を張った枝垂れ桜です。持ち帰って改めて眺めますと結構幅があり、どこに入れようか思案しています。

いつもの土屋さん

植栽を行う時は出来る限り植栽に適した土を購入して搬入するようにしています。

いつも仕入れ先は安城市の久野商店さん。

大将がとてもマニアックで地質学的に見当をつけて良質な土が出そうな土地の権利を借りて掘り起こしやや粘土寄りの砂利の少ない植栽に適した土を提供してくれています。植栽に適しているというのは「団粒構造」と言い、サラサラすぎてもダメで固まり過ぎてもダメで、ある程度の大きさで固まった群があり適度な隙間をもつ構造が透水性と保水性の両方を適度なバランスで保有するいい土壌ということになります。水分を保持した時に所々が団子状に集まり水を保持し、それらの間は空隙があって根が呼吸をすることが出来、隙があることで水は下に降りていくことが出来るという状態です。このことは植栽に限らず植物全般に通用することなので植栽用の他に農業用の土も提供されています。

この久野さんのスゴイ所はとにかくマニアックで突き詰めなければ気が済まない性分で、現在はセラミック用の土なども研究し提供出来るように考えてみえるようです。家庭菜園を始めようと思っている方など、始めの基礎となる土としてまず粒度のハッキリとした土を入れてみるのもいかがでしょうか。

久野商店
安城市小川町高曽根
「土のデパート」の看板が目印

 

剪定のご依頼ですが

剪定の業務については、決まって毎年入らせていただくお客さまと、気になった時に電話をもらって訪問するお客様とがあります。
時として2年・3年程お電話が途切れると「ああ、もう他の業者さんに移ってしまわれたかな?」などと思い、こちらから連絡を取ることは遠慮します。(結構心配はしているのですけどね。)

しかし、時として数年の空き期間ののちに突然電話がかかってくることもあります。今回も新規のお客様のつもりで見積訪問に行く旨をお伝えして調べ直してみたところ以前に訪問したことのあるお客様でした。

時としてあることです。

3月・4月は植栽に適しています。

木々は常緑樹にせよ落葉樹にせよ、その多くは冬の間は休眠期といいまして、活動を休止しています。(冬に花をつける種類は除きます。)

そして、3月に入り気温が暖かくなってきますと活動を開始しはじめ、これから水を吸い上げる為に根を成長させます。成長のサイクルとしては「根の成長」⇒「新芽の芽吹き」⇒「光合成による養分の生成」⇒「各組織の成長」というサイクルになります。ですから、3月から4月にかけて移植を行いますと、根をすぐに張り始め活着の成功の確率が格段と上がる訳です。広く販売されている木々はおおよそ開花期に売られていますが、実は開花期というのは木にとって消耗する期であり、さらに花後は実をつけるものは実を付け、休眠へと入っていきます。この花期に移植を行うことは不可能ではありませんが、移植時に枝葉を落としておく必要があります。

話はかわりまして、私こう見えましても学生時代に機械体操をやっておりまして、そのサークル時代の先輩からこの度植栽のご依頼がありました。樹種が「サルスベリ」でしたので市場にはこの時期に出回ることはないので生産者の所に直接買い付けに行きました。おかげで、自分の好きなだけ圃場を見て回り好きな形の木を探すことができ結局は市場を通して買うよりもいい仕入れが出来ました。今般ネットでも木は変えるのですが、ネットで売られているものは庭師からみたら「う~ん」と唸ってしまうような形のものしか出ていません。まあ、運搬のこととか色々な理由があるのでしょう。庭師は1本でも運んで植えるのが仕事ですので、とことん形にこだわります。木を売ることが目的ではないので当然と言えば当然のことなんですけどね。

今回も、想像していたとおりにピッタリ建物と空間にジャストサイズで収まり、自分自身満足しています。

植栽区画現状

預かりの木の移植

碧南市のお客様でとても庭に造詣の深い方がお見えになります。

使われている石は山石に統一されており、灯篭はわざわざ桂離宮の雪見灯篭のレプリカを入れています。お庭は3つの区画にわかれており、そのそれぞれに蹲(つくばい)が設置されており、それぞれの区画でそれぞれの趣がある庭になっています。

ご主人は毎日早朝に庭に落ちた落ち葉を拾い上げ、生えてきた草を抜き、いつ訪問してもとても綺麗な状態に庭が管理されています。そのように庭を毎日見ているお客様のお宅でも、海が近くて潮風に吹かれるせいか1本五葉松が枯れてしまいました。

梅は潮風に弱い為に海の近くでは枯れることがあるのですが、松は基本的に潮風や乾燥にも耐える樹種なので今回枯れてしまったことに驚いています。全体が一斉に枯れていますので、もしかしたら松枯れに掛かったのかもしれません。(マツノザイセンチュウの仕業)理由はどうにせよ、枯れてしまったものは元にもどりませんので、この度他の木に植え替えることになりました。

このお客様のお宅は当方が管理に入る前に「根上り松」を庭を作った業者さんに預けられていて、その松を戻そうという話になりました。早速現物を確認しに行きましたが、少し毎年の手入れが省略されていたのか形が崩れかけていましたが基本骨格は立派な根上り松でした。しばらくの間、人目に触れない期間がありましたが、また戻すことで訪問者の目に触れることになります。偶然にも枯れた五葉松は門を入って正面でしたので、いちばん目につく場所です。再び雄姿を取り戻せるように管理してあげようと思います。

防草対策が人気です。

春分の日も過ぎ、これからだんだんと暖かくなっていきます。

そろそろ雑草たちも活動を開始しはじめ、芝生の間からも芽を伸ばしてきました。

ここ数年、防草シートの人気が高まってきています。家の周りの地被部分に防草シートを施工して、その上に砂利を被せることによって草取りの煩わしさから解放されます。シートも紫外線耐久性の強いものを採用していますので半永続的に効果が続きます。シートの上に砂や塵などが堆積してクローバーの類などが生えることがありますが、手軽につまんで取り除くことが可能です。

やっぱり現物を確認して仕入れを決定しないとダメです。

外溝資材の話ですが、再生コンクリート舗装材で自然石型取りの化粧舗装材がカタログで見て良さそうな感じだったので、自宅のアプローチで試してみようと思って仕入れをしました。

結果、届いたものは・・・・

色合いが全然カタログと違いますし、カタログには単色でも複数の色ムラを出して自然な風合いを表現したと謳っているいる割には・・・塗装のカバー率が50%の満たずに素材のコンクリートの質感がもろに出てしまっているまるで中途半端な塗装品でした。

思わず、詐欺だと訴えたくなるレベルでした。
これが大手資材メーカーの提供品でしたので、ちょっと今後の仕入れを考えてしまいます。天然石材ではかならず現物を確認して、使う場所のことまで計算して現物を選んで仕入れをしていますが、外溝資材でもそこまでしないといけないのか?というのは今回の一番の教訓になりました。とにかく言えることはカタログの色合いはまったく信用に値しないということです。(今回の品は見本市で現物を見ていただけに、裏切られ感が大きかったです。見本市製品も特別グレード品だということも認識していた方が良さそうです。)

やっちゃった。

風が強い日

危ないな~と思いながらも駐車場入口前に止められた駐車車両を気にしながらバックした結果・・・・

風になびいたフレコンバックの吊りバンドをトラックのロープフックにひっか掛けてしまい・・・・

あ~ やってもうた。。。(笑)

そういうこともあるという事で。。

庭の改修工事が終わりました。

先代の父親様が作られたお庭でしたが、ご自分で作られたのか(庭師のアドバイスを受けながら)

石や植木は庭師が持ってきたのか、素材や配置はいい物が使われており、形式も正しく作りこまれていたお庭がありました。世代が変わり現ご主人はお庭にあまり興味がおありになられなかったようで、手入れが施されていなかった為に一昨年に剪定の手入れに入らせていただくようになった時には既に木も数本枯れ、芝やササ類が伸び広がってしまって飛び石なども隠れてしまっている状況となっていました。

植栽は2年間手入れをさせていただいたことにより、一通り落ち着いてきまして今年庭の一部を復元するべく改修工事を執り行わせていただきました。

基本的な形式は抑えられておりただ、どういう訳か完成されてはいなかったので、今回現状を踏まえた上で1区画まとめ上げさせていただきました。

飛び石を覆ってしまうまで侵入した芝生を剥がし、整地・防草対策の上砂利を入れ、区画を四ツ目垣と大津垣で明確に仕切り築山と路地の境界も石により境界を明確に入れました。施工前の写真は割愛いたしますが、キリリと引き締まった空間となりました。枯れて不足してしまった空間には新たに植栽を入れ、全体のバランスを整えました。

縁側に腰かけて枝垂れ梅を眺めていますと、
心が落ち着き時が経つのを忘れます。

だいぶ形が出来てきました。

先月末より入っていました改修工事が終盤を迎えました。

今日はとても形のいい枝垂れ梅を入れ、砂利も入りようやくサマになってきました。写真は竹垣が入る前の竹垣側からの眺めです。竹垣が出来てしまったら、もうこの方向からこの梅を眺めることはできません。

珍しく、正反対の方向との両方向から眺めてどちらもサマになる本当にいい形に仕立てあげられた枝垂れ梅です。自分の仕入れの目利きをちょっと自慢したくなりました。(もちろん生産者の方に感謝です。)あ、いちおう植えた後に調整の剪定は施しています。

いよいよ完成が楽しみです。