預かりの木の移植

碧南市のお客様でとても庭に造詣の深い方がお見えになります。

使われている石は山石に統一されており、灯篭はわざわざ桂離宮の雪見灯篭のレプリカを入れています。お庭は3つの区画にわかれており、そのそれぞれに蹲(つくばい)が設置されており、それぞれの区画でそれぞれの趣がある庭になっています。

ご主人は毎日早朝に庭に落ちた落ち葉を拾い上げ、生えてきた草を抜き、いつ訪問してもとても綺麗な状態に庭が管理されています。そのように庭を毎日見ているお客様のお宅でも、海が近くて潮風に吹かれるせいか1本五葉松が枯れてしまいました。

梅は潮風に弱い為に海の近くでは枯れることがあるのですが、松は基本的に潮風や乾燥にも耐える樹種なので今回枯れてしまったことに驚いています。全体が一斉に枯れていますので、もしかしたら松枯れに掛かったのかもしれません。(マツノザイセンチュウの仕業)理由はどうにせよ、枯れてしまったものは元にもどりませんので、この度他の木に植え替えることになりました。

このお客様のお宅は当方が管理に入る前に「根上り松」を庭を作った業者さんに預けられていて、その松を戻そうという話になりました。早速現物を確認しに行きましたが、少し毎年の手入れが省略されていたのか形が崩れかけていましたが基本骨格は立派な根上り松でした。しばらくの間、人目に触れない期間がありましたが、また戻すことで訪問者の目に触れることになります。偶然にも枯れた五葉松は門を入って正面でしたので、いちばん目につく場所です。再び雄姿を取り戻せるように管理してあげようと思います。