5月のアラカシ剪定

カシ類は非常に萌芽力が強く水を上げるとそれが枝葉の成長に費やされます。(ひいては光合成の効率が高い種とも言えることだとおもいます。)

特に4月~6月の時期ですと、そのエネルギーは新芽を吹くことに費やされ、沢山の赤みを帯びた新芽が一斉に吹き出します。

カシ類と言えば諸々の道具の柄に使われたり、木刀につかわれたり(イチイガシ)、炭になったりする(ウバメガシ)とても硬い木なのですが、新芽や1年製枝の間はやわらかく弾力性もあり風に良くなびきます。

風で揺れますし、物で触ると簡単に動きますので5月初旬の剪定ですと鋏を入れようとしても上手く捉えることが出来ず、片手でつまんで保持してはもう一方の鋏で狙って剪定をするといった動作になります。新芽そのものを枝元からもぎ取るようにして指でむしり取るという剪定方法も同時に取ったりしますが、今回は昨年秋の剪定を抜いてしまっていた為に昨年の枝(2年生枝)が多段に成長している為にそれらの枝は途中の分岐枝の所で切りたい為にひとつづつ選択していく必要があります。2年生枝でも長く伸びている枝は十分に揺れることが可能です。

 何が言いたいのかと言いますと、通常の6月過ぎのカシノキの剪定ですと新芽もほぼ固まってピンと伸びあがり、風で葉が揺れることはあっても枝自体が大きくしなるということはありません。剪定を行う時もしっかりと目的の枝を捉えて鋏で切ることが出来ます。
 それに対し5月初旬の剪定ですと、揺れを抑える操作が加わることにより余計に時間がかかり、作業工数が1.5倍くらいになってしまうということです。

これまでは段取り時期を考慮することで、上手くこれを躱していましたが、今回昨年秋の剪定を抜いてしまったお庭で冬が暖かかったこともあり萌芽が凄すぎて急遽梅雨前に剪定を行うことになった為に、このような事態になりました。

心配されるのは、梅雨前の剪定は梅雨の雨によって、もう1回新芽が沢山吹くんじゃないかということですが・・・・成り行きを見守りましょう。

ハナミズキが咲かない

以前にも同じタイトルで記事を書いたような気もしますが、やっぱりこのテーマは毎年一定数の方がハナミズキの花が咲かないと頭を悩ませているようですので、改めて書いてみようと思います。

まず、木々全般としまして、花というものは放っておけば普通咲くものです。

じゃあ、なぜ咲かないのか?ということなのですが、

一つは、

①咲く力を1年で蓄えられない程にしか葉の量・根張りの量が成長していない。

二つ目は、

②日照時間が足りない

と、この二つの大きな理由がまず、大前提と満たされていないと咲きません

①の条件を整えるには3年ほど、剪定をせずに放っておけばまず問題ありません。

②については、建物の関係で日照が足りなければ、場所を移すしかありませんが、他の高い木が日照を遮っていることで日照が足りないのであれば、その木を剪定してあげることで日照を確保できることがあります。

で、上の②つの条件がクリアしているにも関わらず花が付かない場合、それは

③剪定に問題があります。

まずは、剪定時期に注目してください。ハナミズキが5月~6月頃花をつけますが、9月頃にはもう次の年に咲く為の蕾が付いています。この蕾がついている枝を剪定にて落としてしまっていては、つくものもつきません。厳密にいえばもう少し前の7月頃に花芽の分化を終えて花芽が付く枝が決まるのですが、通常花芽は新枝の先端につくので、新枝の先には花が付くつもりで、全ての新枝を落とさなければよほど大丈夫です。

で、一番簡単な解決方法ですが、

『1月~2月頃に株元に完熟の発酵鶏糞を与え、1年は剪定を我慢して自然樹形を取り戻し、自然樹形が美しくなったらそれを崩さないように剪定を行う。』

たったこれだけで、ハナミズキの花を咲かせることができます。

花付きの数によって剪定する程度を調節してください。

1度咲くサイクルになれば、毎年咲かせることが出来るようになります。

今度は逆に内側の枝が枯れ込まないように注意してください。