庭に据えてある石が山石で統一してあり、置かれている灯篭も桂利休のレプリカ品であったり、一番こだわりのある作りこみがしてあるお庭のお客様より、一部造り替えのご依頼がありました。門扉を越した懐の一角に無造作に植えてあった山桜が大きくなりすぎ、被ってしまった為に奥の庭が見通せない状態になっていました。それを別の場所に移植して、その1畳程の場所は竜安寺の石庭の浮島のようにしたいというご要望でした。
ひとまずスケッチを起こしはじめてレイアウトの基本プランを確認しました。
ここから使う石・植栽の現物を探し求め、実際に購入可能なものを一通り選定して決めてから詳細のレイアウトを再検討します。もちろん最終的には据え付け時に位置・角度を調節して全体としてのバランスを見て決定するのですが、そこに至るまでに通過する過程で禅的思想を通過するなど、魂の宿った庭にする為に通過しなければならないプロセスがあります。
手本にする庭が謎の多い竜安寺石庭であるだけに、それを模倣する場合でもどうしてそのような形にしたかを考え抜く必要があります。はたして月末までに納められるのでしょうか・・・