特殊伐採業務

シルバーウィークが終わりました。当方には関係なく仕事しておりました。忙しいことはありがたいことです。

シルバーウィークよりも前の事ですが、高所作業車も使わない、クレーンも使わないで行う伐採作業を執り行いました。

これは、ロープクライミング技術を利用した高木伐採のテクニックです。当日は人手が足りない為に依頼主様にも参加いただいての業務となりました。

ゲッケイジュ伐採前
シイノキ伐採前

クライミングロープを掛けるアンカーを取り、ダブルロープテクニックを使って登っていきます。枝下ろしや断幹は吊るし切り専用のロープ(ダイナミックロープ)と下降器(ポーターラップ)を使い安全に制御しながら地上へ下ろします。地上への下ろし作業をお客様にお手伝いいただきました。

ゲッケイジュ伐採中の様子
シイノキ伐採中

 

 

シイノキ枝葉をだいぶ落としたところ
伐採完了
伐採幹・枝
伐採枝葉

こんなに枝葉が出ました。幹・中枝は薪ストーブの燃料にされるそうです。
薪割り頑張って下さい。^^

アーボリストトレーニング

9月5日(土)BAT-2(Basic Arborist Training Course2)を受講してきました。この講習はATI(Arborist Training Institute:アーボリスト トレーニング 研究所)が開設しているトレーニングコースの【LEVEL2:ライトリギング作業の基本】で主に次のようなことを学びます。

・リギングの力学的考え方

・樹上作業者(クライマー)と地上作業者(グランドワーカー)との連携作業、コール等の確認

・ハンドソーによる枝下ろし(吊るし切り)時のリギングロープの掛けかた、各種リギングギアとシステムの理解

・リギングワークの時の安全なワークポジションの取り方

今回は岐阜県立森林文化アカデミーのオープンカレッジとしての公開講座でしたのでアカデミーの学生と林業家の方々と一緒の受講となりました。講師は今年のアジア・ツリークライミング・チャンピオンシップ・オーストラリア大会で日本代表を務めた宇治田直弘講師です。

ひとつづつのギアの特性や使い方などを分かりやすく解説していいただきました。

ポーターラップ:落下しようとする枝に掛けたリギングロープに対し摩擦力によりブレーキ操作を掛けます。許される落下しろを有効に活用してロープ側に荷重を掛けていき切断枝を停止させます。一旦停止後ブレーキを徐々に解除しながらゆくりと地上へ降下させます。

リギングロープ途中に動滑車による引き込みを追加して引き込み力を半分に抑えるシステム。切断枝にあらかじめ上方への引き上げ荷重を掛ける場合に使用します。

チップタイ:切断枝の先端付近にリギングロープをセットします。
切断枝を枝元を下にして降ろす時に使用します。先の倍力装置と組み合わせてあらかじめ枝先を持ち上げておくことが出来ます。逆に枝の根元付近にリギングロープをセットする場合をバットタイと言います。

リギングロープを掛ける位置、引き上げる方向、切断後の枝の動きの予測、干渉や動き回るロープに引っ掛けられない位置の確認、安全なワークポジションと姿勢が取れるかの確認など具体的な重要な安全作業ポイントを確認しました。

安全と予想されるワークポジションを確保して作業を行います。

今回の講習は前々日よりBAT-1を二日間に渡り受講しいるメンバーへの途中からの合流でしたが楽しく受講することが出来ました。近藤講師・宇治田講師に感謝したいと思います。

仕事の後の特別講習

昨日のお話しですが、ひととおり剪定を終えた後にお客様のお子さん(男の子)が出てきて「この木、登れる?」と剪定を終えたシマトネリコを指して言いました。

実際、当方が登って剪定したこともあり「登れるよ」と回答すると、その子は登ることに挑戦し始めました。

しかし、その子はこれまでに木登りを数多くこなしている訳ではなく、細い枝に両足を掛けて登ろうとしたり、手をつく(枝をつかむ)位置があまりよくなかったりと基本的なところから教えてあげる必要がありました。

本人はとてもやる気があるようでしたので、こちらも真剣に足を掛ける位置から手を伸ばす位置、手と足を連動させた動かし方や右足・左足のそれぞれの位置取り、お尻や体の預け方など細かいコツを教えてあげました。

急に説明してもやはり飲み込めないようなので、実際にやってみせたりして、課外教室のようなプチ木登り講習会となりました。もちろん時間外(仕事外)のお客様サービスですが、本人も親御さんも喜んでもらえたようなのでやって良かったと思います。

条件の厳しい現場

ご依頼のある剪定現場で、時々条件的に厳しい現場に巡り合います。

条件的に厳しいといいますのはおおむね次のような状態です。

①植栽どうしの間隔が狭すぎる。また、株元に築山が築いてあり思うように脚立が立てられない。

②敷地境界付近に植えられており、境界を超えた先が側溝であったり、隣宅であったり、脚立の足を条件的に入れられなかったりする。

③上記②の条件に加え段差(落差)が大きい場合剪定枝葉がそちら側に落ちると片付けに労力を要する。(さらに側溝で水が流れている場合、落ち葉が流れてしまい片付けがさらに困難である。)

④石が置いてある場合思うように脚立が立てられない。
などが上げられます。

この度、急遽ご依頼がありました現場はこの内、生垣外側が水路側溝となっており、脚立が立てられない+片付けが困難である。という二つの条件を併せ持っていました。その為、どうしてもお見積に割増料金を提示させていただきました。如何せんご理解をいただきたいと思います。

ツリークライミング・トレーニング

雨が続いていたので業務の方も日程をずらしたりし、週末も雨であることが多かった為にしばらくの間ツリークライミングの練習が出来ないままでいました。ようやく晴天が続き、木も乾いた頃であるのと、今日はお客様との予定が合わなかった為にツリークライミング・トレーニングを行いました。これまでのトレーニングの中で一番高い木を選び敢行しました。途中3回程、アンカーポイントを付け替えようやく登頂しました。少し風がつよく揺れましたが気持ちよかったです。

課題木 登頂点から横をながめる 登頂部から真下を見下ろす 終了後

クロガネモチの移植

7月に入ってから本格的な梅雨らしき長雨が続き、ようやくの晴天となりました。本当は6月中に終わらせたかったクロガネモチの移植が続く雨の為に昨日まで延びてしまいました。雨上がりの作業はとても蒸し暑く少し動いただけで汗だくになり、さらに汗が蒸発せず体温が下がらないためにすぐ息切れしてしまいました。この場所は周りが田んぼで何もなく台風などで強風にさらされる為に支持根も太くしっかりとしており手ごわかったです。

雨上がりにいい汗かきました。^^

 

 

 

 

実の重みで折れた梅の木の処置(その2)

老木の梅の木が実をたわわにつけすぎたことの重みにより枝が折れ、まずは枝の大多数を剪定し軽くする処置を行いました。その後、裂けてあらわになった樹木内部繊維が腐朽が進行しないように殺菌材入りの皮膜処理を行いました。続けてこれ以上裂けが進行しないように方杖により折れた枝を支え、さらに樹勢を回復する為に根元部分の土壌改良を行いました。今週初めに経過を観察し衰弱など認められなかったので、これからすこしづつ回復していってくれることを期待したいと思います。

腐朽進行防止剤塗布
方杖により折れた枝を支えています。
根元部の土壌にバーク堆肥をすき込んで改良しました。

梅の老木が実の重みで折れた(その1)

先々週末の雨上がり、お客様(お寺)のシンボル的梅の老木が、たわわに実をならせすぎた重みに耐えかね折れてしまいました。幸い折れて垂れ下がる途中に枝が石に触り、枝が分断されてもぎ落ちてしまう事態は避けられました。

ご連絡を受け、先週初めに状況確認をしまずは枝をはらい軽量化し、これ以上折れ(裂け)が進行しないようにしました。この日は状況確認のために訪問したので十分な準備(杭や塗布材など)をしていませんでしたので、後日裂けて内部が露になった箇所へ殺菌と被服を兼ねて塗る塗布材と、支柱(方杖)を準備して処置しようと思います。また、樹勢を回復する為に土壌改良も行っておいた方がいいでしょう。

折れて裂けた所
石に当たり折れの進行がくい止まった
剪定後

今日のお客様

 

 

本日のお客様は本職に剪定を頼むのは初めてというお客様、まだ歳も若く可愛らしい感じの奥さんでした。これまで、あまり剪定をしてこなかったのが幸いしてハナミズキの自然な形が残っていてとても剪定しやすかったです。若干剪定によって形が崩れかけてきていましたので、思い切って枝を切るところは切り落とし3年くらいかけて形を直していこうと思います。ハナミズキやヤマボウシ、はたまたケヤキなど自然樹形が美しい木は出来ることならば剪定をしないままに大きく伸ばしてあげたいところです。

剪定前
剪定後

 

癒しの時間

お客様のお宅にて剪定を行っている最中にお客様宅、又は隣人宅より音楽の調べが聞こえてくることが良くあります。

昨日訪問したお宅にて、枝垂れモミジを剪定している時にお客様宅よりショパンの『ノクターン第2番変ホ長調』(浅田真央ちゃんが使っている曲です。)が聞こえてきました。おそらく高校生になる娘さんが練習していたのだと思います。

右手のパートと左手のパートの音をひとつづつ確認しながら通常の半分ほどのテンポで丁寧に音の合わせを確認していました。実に性格が良く表れているように思いました。

枝垂れモミジを剪定しながら大好きな曲を聞きとても至福なひとときでした。