刈込鋏の手入れ

鋏は庭師にとって命の次に大事な商売道具です。刈込鋏は相当なスピードで次々と葉や枝を力任せに切り込んでいきますので、それなりの早さで消耗します。

刈込鋏に要求される品質は刃先が鋭い状態であることと刃の噛み合わせ面に隙間が出来ないことです。隙間があると切る時に刃が回転しようとする力が加わるだけでなく、刃の内側にヤニがついてくることにより刃の噛み合い抵抗が増し、作業の疲労度が増加します。また、葉がスパっと切れずに刃と刃の間に挟まるように逃げて切ることが出来なかったり、切れたとしても切り口が引きちぎったように汚くなることがあります。
刃は根元から順番に噛み合わせの位置だけ触りあうように微妙に湾曲されて鍛えられています。

刃の噛み合わせは合わせのネジを締めこんで調整し、刃先は最長でも1月に1回は研ぎなおして良い状態を保ちます。

 

カシの木の新芽は本当に良く伸びます

アラカシ・シラカシ・ウラジロカシなどは、株立ちにしても良し、棒カシにしても良し、新芽はやや赤みがかって赴きがあり、風にそよぐ葉は一涼の清々しさを演出してくれます。

しかし、一方で・・・・大変に萌芽力が強くどれほど強く剪定し葉の数を少なくしても翌年には新芽を無数に吹き、夏には幹を覆い隠すほど葉が生い茂ります。まず、間違いなくカシ類は毎年の選定を余儀なくされます。逆に生垣などには適しているのではないか?とお思いかもしれませんが、確かに目隠しの役目は十二分に果たしますが、天端(上面のライン)は新芽が上方に勢い良く(1年に1m以上)伸びる為にこれもまた、毎年の剪定が必須となります。

非常に強く形もさわやかな木なのですが、確かな剪定を繰り返さないと形を崩しますし、毎年の剪定が必須の木ですのでプロに任せないつもりであれば、庭には入れない方がいいでしょう。

風を感じさせ、爽やかな印象の庭にするにはエゴノキ・ソヨゴ・カエデ・シマトネリコなどと並んで適した木です。

チェーンソーの手入れ

伐採作業には欠かせないチェーンソーですが、通常伐採となりますと最後は幹の根元近くを当然切り倒すこととなります。

この時に気になるのが、雨が地面に当たって跳ね上がった土が幹に付着していることです。幹周りに土や砂が付着した状態のままチェーンソーで切りとおすと一瞬にして刃がダメになります。

もちろん、切り倒した後で目立てを行えばすむことではあるのですが、連続して作業を効率よく行う為にも出来るだけ幹に付着した土・砂をぬぐって作業をするのが理想的です。

キンモクセイ伐採

「キンモクセイを伐採して欲しい」と軽い雰囲気でご依頼をしてきた初老の小母様、お昼近くのお電話にて今から来てちょっとやってよというノリでご依頼をされるので、とりあえず現状を見せていただいた所・・・・

樹高はゆうに5mは超、幹周り1.8m、枝張り6m程はある立派なキンモクセイでした。(笑)

とてもすぐに「じゃあ今から伐ります」とはいえない代物の木で、翌日それなりの道具等を準備して望むこととさせていただきました。

案の上、翌日1本にほぼ一日かかり2tトラックぎりぎり1車分の枝葉が出へとへとになりました。