鋏は庭師にとって命の次に大事な商売道具です。刈込鋏は相当なスピードで次々と葉や枝を力任せに切り込んでいきますので、それなりの早さで消耗します。
刈込鋏に要求される品質は刃先が鋭い状態であることと刃の噛み合わせ面に隙間が出来ないことです。隙間があると切る時に刃が回転しようとする力が加わるだけでなく、刃の内側にヤニがついてくることにより刃の噛み合い抵抗が増し、作業の疲労度が増加します。また、葉がスパっと切れずに刃と刃の間に挟まるように逃げて切ることが出来なかったり、切れたとしても切り口が引きちぎったように汚くなることがあります。
刃は根元から順番に噛み合わせの位置だけ触りあうように微妙に湾曲されて鍛えられています。
刃の噛み合わせは合わせのネジを締めこんで調整し、刃先は最長でも1月に1回は研ぎなおして良い状態を保ちます。