金閣寺垣の造り直し

既に少し前の事ですが、長年の経年劣化により朽ちて崩れかかってしまっていた金閣寺垣を遣り直させていただきました。お庭は私の作庭ではなく、以前にお付き合いのあった庭屋さんの作庭ですが、既に隠居されておられるので現在私が勤めさせていただいています。お庭は山石で統一されており、灯篭も桂利休レプリカであったり配置もしつらえもしっかりとした造りのお庭で、間違いなく自分が携わっているお庭の中で1番の完成度のお庭です。前回施工されていた金閣寺垣はやや簡略化されたものでしたので、今回は高さを除いて正式な様式にて施工させていただきました。竜安寺垣や矢来垣、鉄砲垣、御簾垣、大津垣など色々な垣根がある中で、やはり金閣寺垣はシンプルさの中に重厚な存在感を放つ良い垣根だと思います。2箇所遣り直す必要がある中で、当初片方だけ遣り直して、もう片方は崩れたら無しにしても良いかと話していたのですが、一つ完成したらやはりもう片方も遣り直そうということになり、急遽追加にて施工させていただきました。自分も一つ終わった時に「やっぱりコレを見たらこっちもやりたくなるよな~」と自分自身は思っていたのですが、施主様も同様に思われたようで、施工後を見てすぐにご決断されたようでした。前回はどうであったかわかりかねますが、今回は天然竹ということもあり保護コーティング剤も塗布させていただきました。仕上がりは上々で自分でも納得のいく仕上がりとなりましたし、施主様にも喜んでいただけたようです。ありがとうございました。